紀元前から人々が着用してきたイヤリングと違い、カフスボタンの歴史は意外と浅く、17世紀頃がその始まり。
それまではリボンなどで袖口をとめていたそうです。
カフスボタンの使用が広まった、という話ではよく、17世紀の2人の王のエピソードを聞きます。
一人はフランスのルイ14世。
在任期間が今も世界最長72年のルイ14世は多くの宝石を所有し、ダイヤモンド2粒をチェーンでつないだものをカフスボタンの代わりに使い、これが宮廷内でまねされるようになった。。。というもの。
もう一人はお隣、イングランドのチャールズ2世。
ルイ14世のいとこだったチャールズ2世もカフスボタンを愛用していたことから貴族の間でカフスボタンの着用が広まったそうです。
それでも庶民が着用できるようになるのは産業革命を経てからです。
ドイツからアメリカへ移民してきたジョージ・クレメンツ(1837-1918)が銃弾の作り方をアレンジしてカフスボタンの大量生産を始めたことで庶民にも手の届くおしゃれになったそう。
探してみたら我が家にもクレメンツ社のカフスボタンから作ったイヤリンクスがありました。
クレメンツ社は2012年、創業者のお孫さんが死去されたと同時に会社も147年の歴史に幕を下ろしました。
20世紀前半はカフスボタンの最盛期。
貴金属やエナメルなどで装飾性の高いカフスボタンがたくさん作られました。
1970年代にボタン付きのシャツが大量生産されるようになるとカフスボタンの需要が下がりますが
スーツ着用時の数少ないファッション自己主張のできるアイテムとして一定の需要は現在にも至ります。
カフスボタンから作ったカフリンクスはインスタグラムに投稿しています。
そちらものぞいていただけたら嬉しいです。
投稿記事の一番上の写真はクリエイティブ・コモンズでWikimedia Commonsよりダウンロードしました。
Somerset County Council, CC BY 2.0 https://creativecommons.org/licenses/by/2.0, via Wikimedia Commons
参考文献
Cufflinks: A History of Style, Ronald Abram
THE HISTORY OF CUFFLINKS, Deakin & Francis Ltd
Richard Krementz Jr., last generation of jewelry manufacturers in Newark, dies at 86 NJ.com Nov. 22, 2012